30年前の夏、日本の安全神話が崩壊した。事実を小説に再現した巨編。
【タイトル】沈まぬ太陽 1~5巻
【著 者】山崎 豊子
【ジャンル】文学賞受賞作家
【内容紹介】
巨大な航空会社のおそるべき裏面と暗闇…。
時代と組織に弄ばれた主人公の過酷な左遷。
中近東のカラチ、テヘラン、そしてナイロビへと
海外をたらい回しにされた現代の流刑の徒は、
企業という猛獣に不屈の闘いを挑む。
【最も参考になったカスタマーレビュー】
ある男が某国営航空労組の委員長を引き受けたがために、
彼の人生を左右させるほどの人事差別を受けていく。
10年にわたる歳月を、アフリカでたらいまわしにさせられながら
耐えて行く「アフリカ篇」。
いまだに夏になると思い出す「御巣鷹山篇」。
関西経済から経営建て直しのために就任した会長を支えるための
会長室の部長として社内の暗部と格闘する「会長室篇」。
全体を通じて作品の底流を流れる、「人間の尊厳」とは何か、
という作者の問いかけに対して読者も考えながらページをめくる。
「御巣鷹山篇」だけは、この作品のなかでも独立している。
文庫であれば3巻目だけを読めばあの悲惨な事故が甦る。
御巣鷹山篇だけは事故の被害に遭われた方が実名で登場する。
改めてあの事故がどれほどの人間の人生を狂わせたかを思い知らされる。
事実を元にして「小説的に」構築した作品であるために、
登場する人物は「大体」実名がわかってしまう。
取材対象も「差別された側」からの情報が
多かったであろうことは想像に難くなく、
その点については批判があることも承知している。
しかしながら、片方の側から見えた「事実」がここにあるのである。
会社と個人の関係について考えると共に、作者の力量に感服した。
併せて観たい
主演:渡辺 兼さん(熱血!虎キチ)
【楽天ブックスならいつでも送料無料】沈まぬ太陽【Blu-rayDisc Video】 [ 渡辺謙 ] |
【楽天ブックスならいつでも送料無料】沈まぬ太陽(3(御巣鷹山篇)) [ 山崎豊子 ] |